有田屋 復刻版フコク印天然醸造醤油

再仕込醤油

今回は群馬県の醸造元、有田屋さんの「復刻版フコク印天然醸造醤油」です。

群馬県南西部に位置する安中市は、江戸より中山道の通り道となっており、中山道起点の日本橋から数えた15番目の宿場町として安中宿が設置されていました。
この江戸に使われていた旧中山道を安中宿本陣(大名等が使用した宿泊場)跡から京側に上り約1キロ程度移動すると有田屋さんはそこにあります。

先日たまたまYouTubeで旧中山道の道中旅程を見ていた際に安中宿道中で、かなり堅牢な蔵と煉瓦などで作られた門扉など歴史を感じる建物が出てきて素敵だなぁと思って見ていたらそこがまさに有田屋さんでした。

1832年(天保3年)創業の有田屋さんは、190年以上の歴史を数えます。
宿駅制度が廃止となる1872年(明治5年)よりも40年も前の創業となるため、この中山道の安中宿に泊まった旅人もこの有田屋さんの醤油の味を楽しんだかもしれません。

そんな江戸より続く有田屋さんのお醤油「復刻版フコク印天然醸造醤油」は、醤油造りの原点に戻り素材選びから製法までこだわった再仕込み醤油です。商品紹介の一番上に紹介されているまさにフラッグシップモデルのお醤油を今回は楽しんでみました。

しっかりとした濃い色

醤油を使って醤油を仕込む再仕込み醤油は、やはり色はしっかりとしています。
口に含むとまず濃厚で複雑な旨味がじわーりと広がります。少し香ばしさのように感じる部分もあり、口の中で様々な味わいを感じることができます。
再仕込醤油ならではの濃厚で厚みのある旨味、そして甘味なども感じることがしっかりと味わえる旨い醤油です。やはり再仕込醤油はてとても興味深いですね。

成分表示を見たところ、再仕込醤油としては塩分がわりと多めで、白醤油などと同じ約18%塩分相当量なのですが、複雑に厚みのある味わいのおかげか塩味がすごく強いという印象にはならず、塩分よりも味わいの方が優先で舌に届く印象です。後味はじんわり系ゆっくりと響く旨味は、まったりと楽しみたい味わいです。

まずは煮物でたべたいなと思いましたが、醤油味をしっかり味わえる豆腐などでも食べてみたいですね。食材を楽しむということでは本末転倒かもしれませんがそんな気にさせてくれるお醤油でもあります。

やはりしっかりした味わいのため旨味がしっかりとした味わいの食材のほうが相性が良いと思います。また少量でもしっかり味が付きますので使用の際には、使用量に気をつけるといいと思います。

つぶ貝の肝煮
おぼろ豆腐

つぶ貝の肝など個性的な味わいのものに使ってもやはり良し。しっかりとした醤油の味わいは出来上がりをグレードアップしてくれますね。
そして食べたかった豆腐。栃木佐野の豆腐や丁庵さんの豆腐でいただきましたが、豆腐の豆の味わいが濃く味わいの濃いお醤油で食べても美味しかったです。

もちろんサーモンや牛肉に使ってもうまいです。肉など旨味が強いものにはしっかりとした醤油は最高のバディとなりますね。

有田屋さんでは190周年を記念して中山道を更に京都側に進んだ碓氷峠にあるトンネルを使って熟成をした商品「碓氷隧道仕込天然醸造醤油2022」を販売中です。

碓氷峠のアイコン 碓氷第三橋梁 (めがね橋)

群馬県産の素材を使い、発酵させたものを碓氷峠のトンネル内にて二次熟成したこの商品は、中山道でも難関であった碓氷峠越の急斜面をドイツ伝来のアプト式ラックレールにてEF63やED42を連結し走行していたかつての信越本線跡のトンネル内にて熟成させた醤油とのこと。
特急「あさま」に小さな頃乗っていた軌道跡地で醤油が熟成されるなんてなんともエモいと思うのですが、こちらもいつか購入してみたいと思っています。

ちなみに今回購入したのは都内の百貨店の食品売り場で購入しました。キャップのうえには下仁田納豆のシールがついておりました。こちらも同じく群馬県の美味しい納豆を作る納豆やさんです。納豆ご飯にもぜひに。

※写真のサイズは70ml瓶です。おいしく頂きました。

復刻版フコク印天然醸造醤油
名 称    : さいしこみしょうゆ(本醸造)
ブランド   : 有田屋
製造者    : 有田屋
カテゴリ   : 再仕込醤油
発酵熟成   : -
仕 込    : -
原 料    : 大豆(国産)、小麦、食塩/アルコール
塩分濃度   : 17.9%
ホームページ : http://www.aritaya.com/
購入場所   : 都内百貨店
作ったもの  : 煮物とお肉、刺身、納豆、豆腐