
宝山 丸大豆たまり 濃搾り

今回は、愛知県知多郡武豊町にある中定商店さんの「宝山 丸大豆たまり 濃搾り」の紹介です。
「武豊」と聞いてピンとくる方は、たまり醤油好きか競馬好きの方が多いかもしれませんが、今回はもちろん「たまり醤油」に焦点を当ててお話しさせていただきます。
かつて長尾村と呼ばれた現在の武豊町がある知多半島の衣浦港側は、木綿、醸造、陶器などの生産が盛んで、それらを運搬する海洋基地としても栄えました。
この長尾村を統治していた庄屋の三井傳左衛門家に伝わる古文書は、江戸時代中期から昭和初期にかけての藩政や村政など、あらゆる事柄が詳細に記されています。研究者からは「どんな新発見があるかわからない宝の山」と称されるほどの内容だそうです。現在旧長尾村庄屋三井家は、武豊町指定有形文化財武豊町の文化財にもなっています。
現在に至っても武豊町は、北に半田、衣浦港を挟んで東に碧南といった酢、白醤油、みりん、みそなど醸造が盛んな地域に囲まれており、醸造においても、まさに「宝の山」と呼べるキーエリアであることは間違いありません。
話は戻りますが、今回ご紹介する中定商店さんは、かつては武豊町に50ほどあった醸造元の中で、現在も残る5軒のたまり醤油蔵元の一つです。
この武豊町の多くの醸造所が、六尺木桶で仕込みを行う中、中定商店さんではその2.5倍の容量を誇る八尺木桶で仕込みを行うのが、大きな特徴の一つです。
今回の「宝山 丸大豆たまり・濃搾り」は、木桶仕込みの三年醸造されたたまり醤油です。たまり醤油は、仕込みの水の量で濃さが変わり、本品は「濃搾り」という名の通り、仕込み水を少なくすることで旨味やコクが凝縮された一本に仕上がっています。
文字通りのしっかりとした濃さという特徴を持ちながらも、とろみが強すぎないのが本品の面白い点です。
口に含むと、その濃厚で凝縮された味わいが強く印象に残りますが、強いクセなどは少なく、旨味と甘味そしてごく微量の酸味が複雑に絡み合い、豊かな旨味を感じられます。
その反面意外とすっきりとした印象もあるために、いろいろな料理へ使いやすい印象です。

後味は、大豆由来の風味の後味が残りますが、すごく強く長く続くことはないため、その余白には素材本来の味わいが活きる余地が十分にある印象です。塩味はしっかりと感じるものの、たまり醤油の持つ旨味と味わいが豊かであるため、全体的にまろやかな印象を与えてくれるのも良いところですね。
このようなお醤油は旨いものにガツンと焼きを入れてあげたり、かけて使う、つけて使う、しっかりとした煮物への使用など様々なものへの使用が出来そうです。繊細なものへ使う場合には量をや使いかたを調整するのが良いかなと思いました。
では実際に使ってみましょう!
まずは王道から。火を入れたステーキの最後に火を弱め、肉にかけて風味を移します。残った醤油はバターなどを加えソースにいたしましょう。火にかけた香り、肉の風味はやはり格別でした。

肉でいうとすき焼き、肉豆腐などにも間違いはありません。どちらかというと肉豆腐が好みで2度作ってしまいました。


おかきもいいですね。しっかり揚げた餅にボールでたまり醤油と絡めてしまいましょう。
濃い色の色合いもたまりません。


たまたまのタイミングでウスバハギを手に入れたので、肝と混ぜて肝醤油に。
ウスバハギを薄造りにして挟んで頂きました。繊細な身と旨味のしっかりの肝醤油。
ほんの少しつけて食べるのがちょうど良かったです。
脂が多めの部位のマグロなどには間違いないですね。ブリなどでも美味しくいただけそうな気がします。
想像より美味しかったのがTKP。TKPはTAMAGO KAKE PASTAですね。
色づきも良いしっかりの醤油は、余っていた魚介のフリットを入れたものもまとめて和にしてくれる心強いチームリーダーでした。黄身を絡めて食べるパスタも良いものですね。

今回の「宝山 丸大豆たまり 濃搾り」は醤3のクラウドファンディングの返礼品の1本でした。職人醤油パッケージの100mlですね。
さて現在(2025年6月)は発酵ツーリズム東海が行われており愛知は半田を中心に盛り上がっています。
中定商店さんも6/21(土)と6/22(日)に蔵開きのお祭り、6/28(土) にたまり醬油つくりなどいろいろなイベントがあるようなのでチェックしてみると良いかもしれませんね。
※写真のサイズは100ml瓶です。おいしく頂きました。
宝山 丸大豆たまり 濃搾り |
名 称 : たまりしょうゆ |
ブランド : 宝山 |
製造者 : 中定商店 |
カテゴリ : たまりしょうゆ |
発酵熟成 : 3年 |
仕 込 : 木桶 |
原 料 : 大豆・食塩 |
塩分濃度 : 16.2% |
ホームページ : https://www.ho-zan.jp/ |
購入場所 : クラファンの返礼品 |
作ったもの : 肉だぁ! |